Ryoma

ターシャ・テューダー 静かな水の物語のRyomaのレビュー・感想・評価

4.4
相棒の愛犬コーギーと一緒なウェールズ🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿出身の絵本作家のターシャは花💐と動物🐕🐓🐥🐿と庭🌿がとっても大好きで、アメリカ🇺🇸のバーモント州の喧騒からは離れた郊外にコテージを構え慎ましく長閑な生活を送っていた。新しい花を育てる時は3箇所で、それは花にとってよりよい環境で生育してほしいという願いから。自分に合ったよりよい生活を送るためには環境を変えればいいと彼女は何の迷いもなく言う。花は自分では変えれないから変えてあげるが、人間は自らで選ぶことができる。周りの顔色を伺ってばかりで積極的に行動に移さない傾向の私自身は、後悔しないために自らの人生を選ぶことは当然のこととばかりに穏やかな笑顔で語る彼女の姿に救われた。
“自分の思うままに生きてきた“と素の様子で語る彼女は、心の底から人生を謳歌しているようで羨ましくもあり美しい自然に囲まれたあのような慎ましく穏やかな生活に憧れるなあって。紅葉🍁や雪景色⛄️など四季折々の美しさも映しだされ堪能できた本作。こういった自然の景観などより身近なものから目を向けてみることが大切なのかもなって。
ところどころ現れるターシャが描いた絵本がイラストやストーリー含めとびっきり可愛くて、凄い癒された☺️
歳を重ねることは悪いことじゃなく、歳を重ねたからこその新たな発見や気づきもあり更なる感動を味わえるのかもしれないとも思わせてくれる彼女のひたむきな姿勢がとても印象的で見習わなければと感じた。
91歳の彼女から語られる“人生はあっという間に過ぎ去るの。不幸でいる暇なんてないわ“という言葉には、どんなフィクションすらも敵わないほどの説得力を帯びていて胸にすっと届いてきた。
家族に愛され自らも自分のことを愛し続けたターシャ。生み出し世に送り出した作品には彼女の溢れんばかりの“愛“が込められていた。作品の数々に登場するキャラクターはみんな笑顔で幸せそうな顔をしていて彼女の優しい人柄がこれでもかと伝わってきた。彼女の願いの一つでもある“家族が幸せに過ごすこと“。平和とは程遠い世界情勢だと理解した上でそう話す彼女の力強い言葉には、心から平和を願う気持ちと家族などの人を想う気持ちが込められていて、その優しさや純粋さに心が洗われるようだった。
“水“を使った邦題の副題。静かな水を鏡に自分の顔を映しだして自分を見つめ直せば本当に大事なものが見えてくるのかもしれないなとも思った。
人生生きていれば時間に追われて楽しむことを忘れがちになってしまうが、時折り休みながら、自分の心の声に耳を傾け自分に合った生活を選んで送ることが大切だと感じた。また、人生は思っているより短いんだなと改めて。“命の儚さ・尊さ・素晴らしさ“がターシャの生き方を通じて感じられる本作は人生における大切なことに気づかせてくれる素敵な作品だった◎
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