垂直落下式サミング

ガールズイントラブル スペーススクワッド エピソードゼロの垂直落下式サミングのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーは、閉鎖された施設で目覚めた女性警官たちが施設内を徘徊する怪獣に襲われ、触手と爪を突き立てられて殺され続けるという悪夢のようなループが何度も何度も繰り返されるというもの。
かつて日本中の少年たちを魅了したツインカムエンジェルと新メタルヒーローの女房役がリョナられる様子を楽しむ作品だ。特に木下あゆ美さんがもう一度デカイエロー役を演じるのであれば観ないわけにはいかないでしょう。
具体的な作品名は出さないけど「パンチラ見せとけばいいんでしょ」みたいな志が低い女子アクションものとは違って、坂本監督の痛みを伴った骨太なアクション描写が冴えわたっていた。それでいてエロな感じはなく、健康的なお色気をみせる特撮ヒーローアクションの域に留まっていて、何度も死んでは生き返りを繰り返すことで仲間同士が協力し合いながら敵と退治していくという『オール・ユー・ニード・イズ・キル』的な試行錯誤の連続がスマートに見やすく描かれており好感を持った。

以下がネタバレ。
同じ時間をループするというのは、職務中に怪獣と宇宙刑務所に閉じ込められてしまった宇宙警察庁長官救出作戦のためのバーチャルシュミレーション訓練で、集められた女性刑事の中から好成績の者で潜入部隊を編成し、怪獣を討伐し長官を救い出すための特殊任務であるということが明かされる。
しかし敵も一枚上手で、とあるノーリスペクト超人の技を駆使して組織内に暗躍する宇宙クノイチ原幹恵が登場。彼女は反撃を許さずマッポを殺すほどの卓越したカラテのワザマエを持つ上に、肉眼スカウターを発揮することで女性警官たちの戦闘力を推し測るというハイスペックなヴィランなのだ。汚いなさすが忍者きたない。そんなトリックスターと戦うのは新シャイダーの相方タミーにおまかせ!仲間に危機が訪れるとき苛烈な憤怒を纏ったフィジカルモンスターが目覚めるのである。知略や技巧など意に介さぬ圧倒的打撃力によって、ガードの上から叩き込んだ剛拳で敵を打ち崩す快感はひとしお。パワー・イズ・ジャスティス。火力こそ正義だ。しかしながら経験値を物攻・物防に極振りしてしまっために百合耐性はゼロ。かわいい!やはり時代はパワー系女子である。
理性を取り戻した怪獣を二人で相手取るデカレンジャーも負けてはいない。アリエナイザーが判決を言い渡してからの処刑用BGMにテンションは有頂天。犯罪者をその場で射殺するという強権発動にはドゥテルテもにっこり!ジャッジメントですの!