ぽち

チップス先生さようならのぽちのレビュー・感想・評価

チップス先生さようなら(1969年製作の映画)
3.4
ミュージカルパートを無くして普通のドラマにすればきっと120分を切るぐらいの長さになったのだろうが、序曲から始まり、中休みの間奏曲、終わりの終曲まで「映画を観た」という充実感を味わえるので、これはアリだろう。

原作小説とは大きくストーリーを変えて、寄り盛り上がりのある物にしているのは上手い脚本と言える。

また、曲の歌詞などが良くて、なかなか心にしみる。

惜しいのが、ヒロイン役のペトゥラ・クラーク。
女優より歌手として有名な方で、歌はさすがに聴かせてくれるのだが、女優としてのオーラ不足で、生徒が恋をしてしまうような大人のエロさもないのが残念。

見とれるようなきれいな女優さんの方が良かったかな。グレース・ケリーやエリザベス・テイラーやマリリン・モンローだったら、生徒が群がるのが一層引き立った。

あと、年代を計算すると、多分40代から80代ぐらいまでの人生を描いていると思われるが、メイク技術が追い付かなくて、その年代に見えない。
でも、ピーターの演技力でカバーしているのは上手く、逆に見所の一つとなっている。

単純なストーリー展開ではあるが、泣いて笑って素直に感動できる作品。満足度は高い。



余談。
最近と言うより映画ではあまり見ない「序曲、間奏曲、終曲」のシステム。

間奏曲はたまに「トイレタイム」として入っていることはあるが、三つ揃ってというのはまれではないだろうか。

時間と気持ちに余裕がある時は、始まりから早送りせずにガッツリと観ると「あ~、映画を観たなぁ~」っていう変な満足感が味わえるので、お勧めだ。笑
ぽち

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