イワシ

シモーヌ・バルベス、あるいは淑徳のイワシのレビュー・感想・評価

3.5
不愉快さも滑稽さに回収されるポルノ映画館、ヘロヘロな剣戟が正しく見世物として消費されるレズビアン・バー(この場面が一番好き)、口説かれた側が何故か運転することになるナンパ、無為な時間を延ばしてただの夜を映画に変える。朝と共に寂しく終わるのが映画の定め。

ポルノ映画館を訪れる客にとある夫婦。仲睦まじく腕を組み、夫の反対側の腕には杖。慎重な足取り、おそらく盲目。常連らしく案内係と仲良く会話。盲目の観客とその付き添いといえばロバート・ワイズ『罠』だが、こっちは何ともエロティック。
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