わたぼう

シモーヌ・バルベス、あるいは淑徳のわたぼうのレビュー・感想・評価

3.5
特集「フランス映画のパイオニアたち」にて。

上映ミスで、冒頭字幕が切れてしまう。「早く早く」とだけ見えて2行目が見えない。そこで止めて最初から上映し直したのだが、その字幕の2行目が

「早く早く
濡れちゃう」

だったので最初から吹いた。そういうポルノ映画のタイトルだった。てっきり「早く早く 映画が始まっちゃうよ」というセリフだと思ったのに。

3部構成で、1部はポルノ映画館でもぎりをする二人の女性。チケット窓口は表にあって、スクリーンの入場扉の前で椅子に座って、もぎって、場内に案内する。その仕事いる?笑と思わせるのが流石フランスでいい。ぺちゃくちゃお喋りしながら、タバコ吸いながら、コーヒーやワイン飲みながら、サイコロ遊びしながら。自分の学生時代のバイト体験も思い出した。ああ、実はパリっ子みたいなバイトっぷりだったんだなと。

目玉マークのネオンがナイスで、行ってみたくなる映画館。1Fに2スクリーンで、2Fにもう1スクリーンあるのかな? 全部ポルノ作品だったのか、ちと謎。3スクリーンなら案内係はいてもいいのかも。

2部はレズビアンバー。3部はナンパするおじさんの車。ラスト裏道の川沿いのような道を歩きながらネオンが消えていく暗い夜明けのシーンが美しい。

モンパルナスは歓楽街のようで、ポルノショップやらポルノ映画館がある通りがあるそう。パリ行った時モンパルナスに泊まってたんだけだ、わからなかったな。今もあるのかな?

上映前にアンスティチュ・フランセの坂本安美さんの解説があり、黄金町のジャック&ベティでこの映画を観る体験をぜひ味わってほしいとのこと。いやパリとは全然違うでしょ…と思ったが、帰り道風俗店の夜のネオンが確かにいい感じに見えた🌃
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