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夜は短し歩けよ乙女のfumingのレビュー・感想・評価

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)
3.0
森見登美彦ワールドが全開な一作。異世界京都、森見作品といえばこの空気! とでも言うべきシンボリックな一作の1つではなかろうか。恋愛ものとは言いつつもそれは一旦置いておいて、京都の街、電気ブラン、赤玉ワイン、古本市に吉田寮と京都で学生時代を過ごした人はビビッとくる小ネタが満載で、シュールでハチャメチャながらも風流な作品世界が小気味良い。
森見作品はいわゆる演劇界隈に居た人達から非常に人気の高い印象である。それもそのはず、映像作品なのに凄く舞台っぽい。常に劇中劇をしているかのような芝居がかったセリフに演出、ポエミーな独白の多さ、急にロケーションや時間が飛ぶ、間が忙しない、そして多くの文化青年達が若き日を過ごした京都という舞台に煌めく魔力のようなものがあるのだろう。
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