むらむら

真夜中のパリでヒャッハー!のむらむらのレビュー・感想・評価

5.0
ウディ・アレン「ミッドナイト・イン・パリ」(2011)で、1920年代のパリの社交界の夜を優雅に徘徊した気分になったんだ。んで、他に似たような作品ないかなー、と思って、たどり着いた先が、タイトルが似ているようで似ていない「真夜中のパリでヒャッハー!」(2014)

※原題はbabysitterなので、全く似ていません。

誕生日だというのに、勤めてる出版社社長の子供を社長の豪邸で世話することになった漫画家志望の主人公。子供は生意気だし、豪邸に誕生パーティーを理由として馬鹿共が流れ込んでくるし、思いもかけず、自分も周りも、ヒャッハー!な状況になる、というシチュエーション・コメディ。

ヒャッハー!して夜中じゅうパーティーに明け暮れるフランス人たちが、男女ともに、まぁ見事に、ヒャッハー! パーティーとセックスのことしか考えてない。

日本で撮ってたら半グレのヒャッハー!な乱痴気騒ぎにしか見えないだろうに、なんかリア充パリピの楽しそうな空気にしてくれるのはフランス人ならではだなー、と思ったり。

コメディとしては、日本人とツボが違うこともあって、大爆笑するわけではないけど、細かく伏線を拾ったりする点も含めて、ちゃんと考えられてるな、って。もしコメディの構造に興味があれば、とても勉強になる作品です。

まぁ、なんだかんだいって、「シティ・ハンター」フランス実写リメイクのフィリップ・ラショーが、今回もとっても良い味を出している。

最後にちょっとネタバレだけど、この作品、予算節約なのか、半分以上POV(主観ショット)で撮ってある。ハンディカムでずっと撮ってるって設定で、そんなにバッテリー持つのかよ、ってツッコミはさておき、途中、とある曲を唄うシーンがあるんだけど、それがとても良いのです。Spike Jonezの"Praise You"にも匹敵するPOVぶりなので、気になる人は、そのシーンだけでも是非。それと、余力があったら、とあるものでカーチェイスする迫力満点のシーン、エンドロールも見逃せない。

俺もエンドロール出たかった!
むらむら

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