和田島イサキ

いぬやしきの和田島イサキのレビュー・感想・評価

いぬやしき(2018年製作の映画)
5.0
 楽しかった〜〜〜! 名作でした!
 とにかく爽快なSFアクション。展開が早くて話もわかりやすく、登場人物もそれぞれキャラが立っており、本当に面白かったです。

 何がいいって、しっかり〝大作系のエンタメ作品〟らしい面白さを提供してくれるところ。
 これは本当にただの偏見なんですけど、なんとなく「邦画ってこういうの苦手そう……」というイメージのあるあたりなので、もうそれだけで嬉しくなってしまいます。

 ものすごい雑にあらすじをまとめると、やることなすことてんでダメな冴えないおじさん・犬屋敷さんが、ある日ひょんなことからすごいスーパーマン化しちゃう感じのお話。
 ……なんですけど、この犬屋敷さんが突然露骨に格好良くなったりしないところがもう本当に大好き。
 急に強大な力を得る、というある種の「都合のいい夢」が、でもその都合のいい部分抜きで描かれている感じ。
 それでも終盤なんかは頑張って戦ったりもするんですけど、その姿が全然ヒーロー然としていなくて、本当に「ただたまたま変なことになっちゃっただけの普通のおじさん」だからこその魅力がもう最高でした。

 そしてそのぶん、というか彼の代わりにというか、悪役のはずの青年・獅子神さんの方が主人公らしいドラマを担当しているのも好き。
 例えば悲劇的な展開とか、あるいはラブロマンス要素とか。単純に「顔のいい若者」ということで非常に絵になる、というのもあるのですけれど、彼はもう最初からキャラクターの味付けが妙に濃いこともあって、なんだか謎の説得力すら感じるのが素敵でした。

 とはいえ最大の魅力はやっぱり、ド派手なVFXを駆使したアクションシーン!
 特に終盤の山場、空中のチェイスシーンがもう本当に気持ちよくて……。
 街の使い方も見事というか、都会のあの狭くて煩雑な感じと、それとは好対照な高層ビル群、これらがそのままシームレスに追いかけっこの舞台になるのが、もう最高に爽快です。

 とにかく、ひたすら楽しいエンタメ作品でした。
 面白かったのでおすすめです。