アキラナウェイ

クルエラのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

クルエラ(2021年製作の映画)
4.0
アニメーション映画「101匹わんちゃん」の悪役クルエラ・ド・ヴィルの若き日の姿を描いたオリジナルストーリー。

Disneyのやる事は、いつも斜に構えて捉えてしまいがちな僕だけど、これは素直に面白かった!!

モノクロのシンデレラ城に赤字で示されたDisneyロゴ。始まり方からして、既にクルエラ。

1964年。女の時代はまだ先の頃。幕開けは幼少時代のエステラの物語。悲劇的な母親の死後、エステラは、ジャスパーとホーレスという 2人の浮浪児と出会い、泥棒稼業に明け暮れる日々を送る。

オートクチュールデザイナー・バロネスにデザインの才能を見出され、彼女の元で働き始めたエステラだが、バロネスの首元に光るネックレスが母のものである事に気付き—— 。

クルエラ登場のパーティーシーン。炎に包まれて現れた真っ赤なドレスに、テンションは急上昇。BGMは大好きな「Hush」ときたもんだ。全編通じて音楽がまた良いのだな〜。

こんなワルなエマ・ストーンは見た事ない!!これは彼女の新境地。二重人格の様に入れ替わる、エステラ/クルエラの演じ分けが実に見事。

「イエスタデイ」のジョエル・フライ演じるジャスパーと、「リチャード・ジュエル」のポール・ウォルター・ハウザー演じるホーレスとのトリオの息もバッチリ。

エステラのファッションデザインの才能を活かした盗みの連携技は見ていて痛快。

クルエラという強烈なヴィラン誕生を描くにあたり、更に圧倒的な悪の存在であるバロネスを演じたエマ・トンプソンも素晴らしい。これは完全に「プラダを着た悪魔」の再来だわ。マーク・ストロングも出ているし、キャストが良き。

ファッションのゲリラ攻撃。

様々なドレスを披露する、
神出鬼没なクルエラに魅了されっぱなし。

夢、友情、愛。
真っ白なだけじゃつまらない。

妬み、敵意、復讐心。
黒を加えるからこそ面白い。

白々しいDisney作品は好きじゃない。毒っ気がピリッと効いた本作は嫌いじゃない。

あ、そっか。
終始耳障りの良いイギリス英語とUKロックが完全に個人的にドンピシャ好みだから、視覚と聴覚で好きなんだわ、これ。