極彩色とも言うべき派手な色合いの映像がオリジナル版の魅力の１つだろう。ではモノクロになったら魅力減かと言えば全くそうではない。確かに情報量が少なくなったことで何が起きているのか分かりにくいシーンもあるにはあるが、却って観るべき所に注意が向かうようにもなったと思う。引きの画であれば車やキャラクターの動きに、クローズアップであれば表情や視線にと。そして輪郭がシャープになった結果、体に刻まれた傷やシワもより印象的に映る。
また古典的な風格も出ている。ジョージ・ミラーが意識したであろう『駅馬車』とはそもそもシチュエーションが似ているが、モノクロになったお陰で全体的なトーンも近付いた。ついでに同じくモノクロ作品である『七人の侍』や『恐怖の報酬』のオマージュも強く感じられるようになったのは面白い。
