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太陽の雫のRIOのレビュー・感想・評価

太陽の雫(1999年製作の映画)
3.6
二重帝国時代 19世紀末から20世紀へ
ハンガリー ブダペスト 
第一次大戦で帝国の敗戦後ハンガリーでは共産政権が誕生

ユダヤ人エマニュエル・ゾンネンシャインから
ゾンネンシャイン一族の歴史が始まる
長男イグナツは法律を学んで裁判官となり
次男グスタフは医者で代々何をしても優秀な家系
どんなに優秀であったとしても
ユダヤ系の名前ゾンネンシャインが
高等裁判所の裁判官の地位を得ることはない
ハンガリー風のショルシュに変えてしまった

イグナツの帝国崩壊後の衰弱ぶりと比べて
息子アダムはキリスト教への改宗を強求されるけど
わりとあっさりとしてる
少しずつ自分の核なるものが血統より自分になっていく
この頃からホロコーストが始まり家族はゲットーに収容
アダムが受けた氷の拷問のシーンは堪らなかったです…

アウシュビッツからアダムの息子であるイヴァンは戻り
叔父のグスタフと共産党に入った
ファシストに殺されたハンガリーの英雄を父に持ち
裏切ったハンガリー人のファシスト狩りをする

ユダヤ人への迫害は止まらない
受難の時代
みじめな人生の目的はなんだったのか
というグスタフの言葉が染みる

1956年ブダペストで現代思想の花が咲き
自由を求めて革命が起きる
イヴァンは反共産主義の罪で逮捕され
ホントに色々あるこの一族

スターリン像が倒れ
オーストリア・ハンガリー帝国は姿を変えた 

“人生は揺れ続ける舟のようなものだ”という親の言葉
一族でたった一人になったイヴァンは立ち返える
美しい終わり方でした

キャストが豪華
マーク・ストロングが髪型をストレートにディスられる
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