全編を通して、支配層の白人は支離滅裂でコミカルに、白人に擦り寄る黒人奴隷は雄弁に語り同胞を痛めつけ、それ以外の黒人奴隷は一言もセリフを発しない上に常にニコニコと楽しそうに描かれてる。目を向けたくない事実を極端に濃縮した映像に眉をひそめてしまう。
劇中に出てくる「グッバイアンクルトム」。
これは“アンクルトム”という有名文学の題名から。アンクルトムという言葉には黒人のトムおじさんが「白人に媚びへつらう黒人だ」という考えから、白人側に立つ黒人の揶揄として使われがち。
後半にはFUZZギターのBGMと共に血の復讐が始まる。
ただの「胸糞映画」や「モンド映画」と感じるか、支配層とそれに媚びへつらう雄弁な奴隷層やズタボロにされ搾取されても笑ってる最下層、そんな本作のカーストに”現実世界”を重ねるのか。