4分33秒

ヤコペッティの 残酷大陸の4分33秒のレビュー・感想・評価

ヤコペッティの 残酷大陸(1971年製作の映画)
2.2
今日、前の車が窓からタバコをポイ捨てしてた。
何となくバックミラー越しに年配の方だと分かった。
このご時世、いまだに車から堂々とタバコをポイ捨てする輩がいるんだなぁと少し不愉快。

と言うのもタバコは葉の部分は自然にかえるが、フィルター部分は残りゴミとなる。
そのゴミを鳥や魚が食べると消化不良を起こし死に至る。

運転しながらそんな事を淡々と思っていると、益々腹が立ってきた。
が、しかし。

ひと昔前は大人の男ってのはタバコを吸わない人のほうが少なく、デパートでもファミレスでも車でも家でもなんの躊躇もなくプカプカしてた訳で。
そして吸ったらその辺にポイっと捨てるなんて日常茶飯事で。
そんな事が常識な時代を生きてきた人にとってはポイ捨ては「悪」とすら思えない。

時代と共に善悪の価値観は変わってくる。
それは文化や科学の発達や倫理観の向上、文明の成熟によるものかもしれない。

私とポイ捨てオヤジは同じ時代を生きながら、その価値観という面では対立する。

「差別」への認識もまたジェネレーションギャップや地域、組織、国で大いにズレが生じる。

「差別はなくなる」
「差別はなくならない」
このたった2つの言論にすら既に「差」が生じている事にお気づきだろうか?
だからこそ差別は減る事があっても決してなくなるという事はないのだ。

ついこの間まで黒人は家畜、いやそれ以下の扱いとして白人に支配されてきた。
そしてその遺恨は深く現代においてもまた様々な問題を浮き彫りにする。

ひょんなポイ捨てから始まった今回の妄想は、今一度この残酷な世界を観せるきっかけとなった初夏の夕暮れでした。
4分33秒

4分33秒