あのジェイソン・ステイサム主演の大ヒットアクションシリーズが復活!今度の舞台はロンドンだ!!
…………え、違う?
じゃあ2014年に公開されたパチモンな『ザ・トランスポーター』の続編?
………………これも違う。
どのトランスポーターとも何ら関係のない、イギリス製クライムサスペンス。ひょんなことから彼女を人質にとられた男が、電話での指令に従いながら、謎の物を届ける羽目になる。
本作はいかにもTSUTAYAの飛びぬけアワードに陳列されてそうなB級作品である。なので、くれぐれもステイサムには期待しないことだ(まあジャケ見たら一発でわかるが)。
まず、本作は何かと緩いのが特徴。ある意味面白いのが、主人公の全力疾走がラスト以外全くそうみえない。しぶとく追っかけてくるオッサン以外は、そんな主人公にペースを合わせるように減速する。スーパー拍子抜けなバイクチェイスに至っては思わず笑ってしまった。
おまけに無駄なお色気シーンやタクシー内での会話といった無意味かつどうでもいいシーンに尺を使っていたりする。エロ本は何故消えないのか?としょうもない話を続ける運転手を見つめる主人公の表情は、まさに見てるこちら側の気持ちそのもの。
オチもよくあるやつで捻りが全くなく、さらにいうと1番肝心な部分は丸投げ。まあそもそもこの手の作品にそんなものは期待していないが。
いくらでも緊張感を作れた題材だけに、終始何だかのんびりした作品。主人公が走ってるだけで何故か笑えてくる、そんな作品。