アズマロルヴァケル

ザ・トランスポーター ~ロンドン・ミッション~のアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

3.2
観賞後に首をかしげたくなる邦題詐欺映画

ろくに仕事もせずにゲームや友人と遊んだりしているマットはある日極彩色の覆面をした集団に襲われ、ベストに入れられた荷物を運ばないと恋人を殺すと告げられる。最初にショッピングセンターに行ってと言われると謎の男に襲われ、次の場所に行くと女がランジェリー姿が待ち構えていた・・・。

某アクション映画「トランスポーター」とは別物で、内容は強いて言えば韓国映画「ビッグマッチ」のように悪い奴らが一般人を脅迫してその行動を配信して娯楽ビジネスにしてるというくどいやり方で、マットもそれに巻き込まれているといったかたちです。


はっきり言えばよくよく考えるとこのストーリー自体がテレビゲームの世界なんじゃないかと思うほど良く出来ており、まるでスーパーマリオブラザーズでピーチを助けるマリオのような感覚で観れます。何故そう思うかと言うと後半でマットがこれまでに起こった出来事をテレビゲームでやっているのだがこの夢はアナを助けることを改めて改心させる夢と共にこれが1日中ゲームの世界に浸るゲーマー自身を描いていて興味深い。

しかし、脚本がまるで辻つまが合わず、ラストのオチはまあある程度悪くはないのですが、冒頭で高層マンションから飛び降りる男性のシーンがあるのだが、ほかに冒頭で別のゲームの参加者が奔走するシーンがある一方でこの飛び降りた男性がゲームの参加者なのか?無関係なのか?とか伏線をやろうとして結局やらなかったように感じてストーリー展開がやや惜しかったです。

とはいえ、邦題で「トランスポーター」と別物だと分かれば大概見れるのですが、逆にマットよりも悪い奴らが具体的に何がしたかったのかどんな仕組みかが気になる映画ではあり、他人の生命を使って娯楽の道具にしている点ではジョシュ・デュアメル主演の「スーサイド・ライブ」にも通ずる面白い作品でした。