米国女子スケート初の三回転半の偉業を成し遂げたトーニャ・ハーディング。輝かしい成功の光と影。
毒親、DV夫、不当な判定、得られなかった愛への渇望。
リレハンメル五輪でのライバル襲撃、一夜にして地に堕ちた栄光。
世間が求める悪役と対照的な悲劇のヒロインの二つの顔。
製作も兼任したマーゴット・ロビーの名演技は、アリソン・ジャネイの陰でやや霞みつつも、猛特訓とアイスホッケーで鍛えた身体能力の高さを発揮したスケートのシーンで十二分に披露される。(後の『Birds of Prey』でもスケートの腕前が発揮され、こちらも見事)
信用できない語り手たち、『羅生門』スタイルで食い違う証言の数々、過去と現在を行き来する構成に、藪の中の真相。
