Lila

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのLilaのレビュー・感想・評価

3.5
バービーの流れでマーゴット・ロビー映画気分です。この題材は90年代のアメリカを代表するスキャンダルなので、幼少の記憶ながら何となく覚えています。泣き叫ぶナンシーケリガンの映像は忘れられません。伊藤みどりやクリスティーナ山口など、アメリカで日本の名前が飛び交うレアなスポーツでした。

SNSがない時代だったので、なんとか今の生活があるんじゃないかと思うほど、当時のトーニャの嫌われっぷりは凄まじかったです。おそらく今でも。

映画全体が供述で作られているので、最初と最後は割と好きです。「本人たちの供述なので、作っている私たちの考えや意見ではありません」的な意志が強く見えて、事実を優先してるというより、昔も今も味方がいないトーニャを表しちゃってます。

救いのない人しか出てこないので、イライラする作品です。お母さん役のアリソン・ジャニーは身長高いのも相まって、恐ろしいコウモリのよう。最後まで酷い。旦那の暴力シーンは到底見てられない。でも事実はどうであれ、全員の民度の底辺っぷりはそのままでしょう。

この家庭環境と素行で、どうやってフィギュアスケートキャリアを維持していたのか、今になってみると疑問です。実力の一本槍にしても暴れ馬過ぎて、審査員評価スポーツで勝てないのも納得です。毒親の影響でフィギュアになっちゃいましたが、もっと腕っぷしで勝敗のつくスポーツに出会えてたら、もっと結果残せて、もっと違う人生があったかもしれないですね。その後、ボクサーになったのは自然の流れに感じました。

壮絶な過去があるにせよ、「嫌われ者にされた」感の言いっぷりは引っかかるところですが、それが彼女なんだ、と納得はできました。

キラキラした完璧な可愛いバービーからトーニャまで演じるマーゴットロビーの幅広さよ。この作品のプロデューサーでもある彼女は、表でも裏でも、間違いなく今の女性トップランナーですね!

スコセッシ、チャゼル、タランティーノ、ウェスアンダーソン、ディカプリオにブラピ、これだけの大物たちを全員虜にしてるだけのパワーハウス!制作側も表舞台もマーゴットの実力と価値が証明されている一本でした!

にしても、なんで邦題は変な副題ついてるんだろう?アイ、トーニャだけだと何のこっちゃだからかな?
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