なやら

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのなやらのレビュー・感想・評価

3.5
周囲の腐ったミカンどもに侵されていくアメリカン・ドリーム。育ちの悪い者が、表舞台で真っ当に成り上がることの不可能性。厭なディテールのオンパレードに世を呪いながら観ていたが、全てを失ってなお、フィールドを変えて闘い続けるトーニャを捉えたラストシーンの出来がとても良くて元気が出た。華やかなリンクから、血生臭いリングへ。スケートの世界では一度の転倒が命取りだが、ここではむしろ倒されてからが勝負なのだと言わんばかりに、立ち上がり、血を垂らしながら応戦するトーニャ……その姿がとてもハマっており、そもそも彼女の性格上(滑走でzzトップを使ったり兎の皮を剥いでコートを手製する趣味、直情的な性格)、適所はむしろ断然こっちの方はだったのではないか……などとアレコレ考えを巡らせてしまった。面白かったです。
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