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世にも恐ろしい日本昔話のかずシネマのレビュー・感想・評価

世にも恐ろしい日本昔話(2000年製作の映画)
3.5
これはあの「猿蟹合戦」「かちかち山」「浦島太郎」の3本立てのOVAのページ…で良いのかな?そのつもりで書く。

内容はタイトルのママ。残酷な描写も性的な描写も有る。R15の作品。
浦島太郎にいたっては電子ドラッグ的なトリップ映像を観る事になる。
元々童話は子供が読んでも大丈夫な様にアレンジがなされているのは周知の事だが、こちらの作品の描写は「本来のもの」なのだろうか。
解釈の中のひとつ?
その辺り詳しくないので分からない。

3話とも作画やキャラデザ、演出がそれぞれ違う。
猿蟹の作画は00年の作品とはいえ、まだザ・90年代!という雰囲気。
一方で、かちかち山みたいな作画も一時よく見かけたなぁと。
劇画という訳でもなく写実的という訳でもないが、リアルに寄せたもの。口元の皺とか。
よく見かけたのは90年代後半から00年代初期くらいかな。
(少し違うが前者はスレイヤーズ、後者はパーフェクトブルーや忍空を思い浮かべてもらえれば、なんとなく雰囲気が伝わるかなと思う。)
どちらもその時の流行りの絵柄だったからか、今はもう見かけないね。
浦島は内容がトリップしている分(?)、とてもすっきりとした作画。

内容についても一言ずつ。
「猿蟹合戦」……村人はやりすぎだが、ご神木なのは見たら分かるので猿が軽率。暴力(リンチ)描写。
「かちかち山」… 理不尽の塊がたぬきを襲う!うさぎの声はノリスケさん。グロ描写、残酷描写。
「浦島太郎」……お薬怖い。トリップ。お龍さんの声は蘭ねえちゃん。エロ描写、グロ描写。

レンタルビデオ店に男性がビデオを借りに来店し、その男性が店員のおばちゃんのオススメビデオ(=昔話)を観ていく…という設定で視聴者も3本の昔話を観ていく。
OPとED、話と話の間にそのシーンが出るのだが、男性とおばちゃんのやりとりが結構面白い。デザインもシルエットだけでお洒落。好き。

フィルマークスにはページが無い様だが、日本昔話だけでなくグリム童話もある。そちらも鑑賞済み。
グリムの方は「灰かぶり」つまりシンデレラがキャラデザや作画が綺麗で好きだ。ステンドガラスみたい。
内容は勿論「恐ろしい」のだがw
ちなみに「女って怖い…」系の恐ろしさだった。
他の2話は
「ヘンゼルとグレーテル」(おかん落ち着け!)
「青ひげ」(納谷六朗氏の演じ分けが素晴らしい、めっちゃイケボ)

OVAだけあって作画も良いし、出演者もなかなか豪華。
胸糞悪くなる系の話が好きな人、童話について詳しい人、一昔前のアニメの作画やOVAならではの攻めた演出を楽しみたい人等…興味のある方のみどうぞって感じだな。
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