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ピーターラビットのバロウズのレビュー・感想・評価

ピーターラビット(2018年製作の映画)
3.2
ビアトリクスポター原作の児童書「ピーターラビット」を映画化した問題作。
ピーターを始めとするウサギたちの兄弟が繰り広げるほのぼのコメディ・・・かと思ったら全然違う。イギリス風味たっぷりのブラックコメディに仕上がってます。

映画開始初っ端からマクレガーさん(ピーターの父親を殺してミートパイにした張本人)が心臓発作で死亡。ピーターは死亡を確かめるためにマクレガーさんの眼球に指を突っ込んでグリグリやる。
親の仇を討ったピーターは仲間の動物達を集めて盛大なパーティーを開く。「やっと邪魔者が死んだぞ!これからやりたい放題だ!」と。この時点で倫理的にどうかと思ってしまう。
そこにマクレガーさんの甥であるトーマス(ドーナルグリーソン)がやってくるわけだけど、ピーターたちを排除しようとすることで敵と認定され、理不尽な攻撃を受けることになる。

まず「喧嘩するほど、好きになる」っていうキャッチコピーが間違ってる。喧嘩どころか殺し合いでしょこれ。
部屋中にトラップを仕掛けたりドアノブに電流流してビリビリみたいなホームアローン的なノリはまだ許せるにしても、アレルギーのくだりは完全にアウト(一応劇中でも『抗議とかしないでね!』って予防線は張っていたけれど)
見方によっては殺人ウサギ集団が攻めてくるホラーのようにも思える。
ただ自分の家を守ろうとしてるだけなのに、ウサギたちから理不尽な攻撃を受けるグリーソンさんが不憫でした。
ローズバーン扮するビア(原作者を模したであろうキャラクター)も「他人の畑なら好きなだけ荒らしていいのよ〜」と言っている嫌な女にしか見えない。
最終的には大団円を迎えてハッピーエンドなんだけど、それに至るまでの過程がエグすぎるためか、なんだかモヤモヤしてしまう。

と、言いたいことはたくさんあるものの、動物たちの映像表現は本当に凄い。
冒頭、空を滑空するスズメたちのCGからして本物にしか見えないし、ウサギたちの毛並みのモフモフ感が完全に再現されていて驚きました(ベンジャミンのぽっちゃり具合が最高に可愛いです)
ウサギの他にもハリネズミやキツネやブタやアライグマなど多種多様な動物たちが登場するので動物好きにはたまらないかと。個人的には雄鶏のキャラクターがツボにハマりました。
でも子供に見せるのはあまり推奨できないかな・・・
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