CANACO

犬ヶ島のCANACOのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.3
2018年公開のウェス・アンダーソン監督・脚本作品。原案は同氏のほか、ロマン・コッポラ、ジェイソン・シュワルツマン、野村訓市が携わっている。個人的にエドワード・ノートンが好きなので、REX役で声の出演をしているということで鑑賞。

舞台は20年後の日本“メガ崎市”。犬嫌いの独裁者の起案により、増えすぎた犬の整理および犬の感染病やダニ・ノミ・シラミの人間への影響を防ぐ目的で、全ての犬をゴミの島に島流し(隔離)にする政策が施行される。施行後、あるひとりの少年が、自分の警護犬を救出するため島に侵入する。そこから始まる、犬と少年を主人公とした愛と友情の物語。

撮影日数は445日。スタッフ総勢670人によって作られたストップモーションアニメーション作品。寿司を握る36秒のシーンだけでも32日間かかったという。

プロットはドラクエ2くらい簡単。でもディテールはとても細かくて、細部の作り込みをもっと見たくて見返したくなる作品。単純に可愛いので、愛でる気持ちで見られる人、世界観が好きな人はハマると思う。質の高いNHK教育テレビのアニメのような勧善懲悪、動物愛、友情にあふれた作品なので、可愛いけど単調でひねりがないといえばそう。

「もっと日本の若い人に黒澤明作品を知ってもらえたら」という監督の想いもあるそうなので、黒澤ファンの人も楽しめそう。日本文化の解釈については、ちょうどいい再現性とデフォルメだったと思う。

単純に「好き」と言いたい、日本愛が詰まったラブリー作品。寿司のシーンだけでも10回は繰り返し見られる。アタル少年の話し方は宮崎駿アニメの影響を受けているように感じた。
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