純

犬ヶ島の純のレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.0
これはすごいと思う
偏見だけで作ってない、きっと色々調べたうえで作ってくれたのだろうなと思う
日本語が棒読みっぽいのはしょうがないと思ってたけど、でもこの世界観においてはむしろ棒読みっぽいほうが不気味で合ってるかもとか観てるうちに思えてくる
けど文法に違和感ないし、なぜか海外の人が日本語の文章を作るとき、ほそダサゴシックしか使わないのに対してこっちはちゃんと日本人が昭和レトロを感じる書体とデザインになっててこだわりっぷりに恐ろしくなった
出てきたわんちゃんたちは洋犬だから英語を話してたんだろうね。それで日本人キャラにはちゃんと日本語を話させたうえで、翻訳機っていうシステムも面白かった。

私は別に海外の人が偏見だけで作る日本の世界観を悪いとは思ってなくて。バチバチのネオンとか、喋るトイレとか、こんなふうに見えてるんだって面白いし我々も外国に対して持っている偏見はあるから
でも本作はちゃんと調べて自身の世界観に落とし込んでくれたのだろうなと思う。背景のデザインとか、テレビの中身が平面的なあたりは、台湾の返校ってホラゲーの雰囲気も感じたな。だから本当に戦後間もない頃の雰囲気というか
あと、和柄の彫り物はやーさんのやつだよ、タトゥーとはわけが違うんだよ…って思った途端に次のシーンで回収してきて笑っちゃったし、海外の人からしたらわさび初めて経験したときは毒のように感じたのかなって思ったら面白かったし
英語字幕と日本語字幕ダブルでの情報量の多さは少し日本のデザインに通ずるものがあるし
とにかくすごい。日本人としてこの作品を視聴できて本当によかったな。
純