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犬ヶ島のinazumaのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.2
バイオレンス色強めのアニマル・アドベンチャー!🐶

ウェス・アンダーソンのストップモーションアニメは初めて観ましたが、オシャレな感じとかはもちろんとして、人物の動かし方とか表情の作り方とか、ウェス作品以外の何ものでもない。
オシャレ&キュートな画の中にバイオレンスを潜ませるところもウェス節炸裂ですが、本作に関してはそれが前面に溢れ出ていた印象。
何気にいちばんキツかったのは、主人公アタリの頭にずっと金属が突き刺さってるところ。生身の子供ということもあってか見てる間ずっと痛々しくてノイズになってしまいました。
ゴミ処理場のくだりとか本当に「粉砕」されてしまったのではないかとゾッとさせられる意地悪な演出も冴え渡ってます。ここは『モンスターズ・インク』のブー(の着ていた着ぐるみ)がゴミ処理場でバラバラにされるトラウマシーンを連想しました。

日本を舞台にしたストップモーションアニメといえば『KUBO/二本の弦の秘密』ですが、こちらは三味線や折り紙、灯籠などをとても美しく描いていました。それとは対称的に犬ヶ島の日本像は狂ってる!寿司つくるシーンで切り落とした魚の口がしばらくパクパクしていたりするとことかマジ勘弁。海外映画や海外資本の日本映画で描かれる"日本の食文化"は大概狂ってると思うのは気のせいか…(『SUSHI GIRL』然り!井口昇然り!笑)

いろいろ言いたいことはありますが、感想としてはとても楽しい作品でした。
ストップモーションアニメをじっくり見たいため吹替版で観ましたが、これがとても良かった。犬たちの会話は声も良ければテンポも良くずっと聞いていたいぐらい。途中で「同時通訳機」が出てくるシーンで、吹替でみてるにも関わらず字幕を追わなければいけないのは何とかしてほしかったかも。。
(字幕版だと声優がジェフ・ゴールドブラムにエドワード・ノートンらウェス作品常連の豪華俳優陣ということで、いつか字幕版もみたい)

『ムーンライズ・キングダム』『グランド・ブダペスト・ホテル』『アステロイド・シティ』と、ウェス・アンダーソンにハマりそうでハマりきらないのがずっと続いてましたが、今回の『犬ヶ島』で完全にハマっしまったかもしれない。次回作が早く観たくてたまらない。
ウェスのもう一つのストップモーションアニメ『ファンタスティックMr.FOX』も気になる!
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