オカ

犬ヶ島のオカのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.3
ストップモーションアニメの良さをこれ以上なく引き出したいい映画だと思った。
動きはもちろんキャラクターの造形や質感、表情にいたるまで全てがマッチしてプラスに働いていたと思う。実写や3DCGではここまで絵面だけで面白みは出なかったんじゃないかな。
舞台が日本の外国映画というのはよくあるけど、日本の描写にここまで(無駄に)こだわった映画はそんなに多くないと思う。
太鼓を叩いたり、相撲を取ったり、寿司を握ったり、ストーリーにはほぼ関係ないしそこまでこだわるシーンじゃないのにめちゃくちゃ力を入れて作り込んでいるのが何だか面白い。
特に相撲のシーンはちゃんと調べたんだろうなと分かるぐらい動き一つ一つがリアルだった。話には全く関係ないけど、とにかく入れたかったんだなと伝わってくる、それがいい。
アニメーションだけじゃなく、画面上の文字情報の多さ、日本語と英語が入り乱れる言語も何だかいい。知らない間に引き込まれるユーモア感がある。
ストーリー自体はそこまで目新しいものではないかもしれないけど、手法と題材がうまく噛み合って、観終わったあとは不思議と満足しているし、また観たくなるいい映画。
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