裏の世界の成り上がり物語って感じ。
やってることは犯罪なんだけど、主人公は努力もするし、工夫もする。
地道に関係者と信頼関係を築いていったり、犯罪集団に認められるために実績を積み上げていったりする様子は、表の世界となんら変わりなく、のし上がっていく様子にはワクワクさせられた。
犯罪の規模が大きくなるにつれて、仲間内で不協和音が流れ始める展開もたまらない。
地道にやっていこうとするサイと、一気に大きく登ろうとするキーラ。
それまでチームとしてやっていた三人の気持ちが、バラバラになっていくのにはそこはかとないせつなさもある。
計画実行のために手を尽くすあたりはオーシャンズシリーズのような面白さがあるし、犯罪だけにバレるのではないかという緊張感が終始つきまとうのもいい。
さらに、後半には闇の世界ならではの恐ろしい展開も待っていて、ゾクゾクさせられた。
単に犯罪をエンターテインメントとして描いたわけではないラストも面白い。
かなり拾い物のクライムムービーだった。
