ももん

ヒトラー最後の代理人のももんのネタバレレビュー・内容・結末

ヒトラー最後の代理人(2016年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

かのアウシュビッツ収容所の所長の尋問を映画化した物語。

ヒトラーや親衛隊ヒムラー?は絶対的でそれを信じるしか無い、疑おうが逃げようが良い事が無いというドイツで囚人から出世して所長にまでなった人なのかな?

ヒムラーも嫌がるような毒ガスによる大虐殺を実行した現場責任者である人物が、ナチスを信じ逆らえず、生きる為に自由になれると信じて働き続けた結果大虐殺の実行犯としての死刑という結末。虐待や拷問や虐殺を嬉々として行う人物では無く、ポーカーフェイスで苦悩して命令を実行し続けて忙しくするうちに、心身のバランスも崩れ麻痺していった。普通に家庭を持っており、妻や子供もいて仕事の内容から打ち明ける事も出来ず、狂信的なナチスにもなりきれず苦難続きの人生だった。みたいな供述。

ポーランドの収容所では、おそらく家族を殺されたドイツ人達から刑務作業中シャベルで殴られるなどの暴行を受ける。主人公である尋問官が来る前から命の危険があった。
上司に釘を刺されてるにも関わらず暴行を防げない尋問官や刑務官の危機管理能力不足と失態に対する苛立ちからか、アウシュビッツの所長の話に同情もあったのか職務には無い過剰なその場での仕返しのシャベルでの殴打シーンは現代の常識でいえばアウト。見せしめにもならないし。

死刑があっさり済まされる演出は良かったが、ラストの奧さん訪問シーンは短すぎ。逆に尋問官が女を買う?ひっかける?シーンは不要。重い内容だから裸体入れとくかって意図すら疑ってしまう。

決して高い地位では無かったが、あのアウシュビッツの所長という重要人物の供述を映画で観れたのは良かった。

邦題は、無茶苦茶。尋問官は勿論ヒトラーの代理人ではないし、尋問される供述者のアウシュビッツ所長はヒトラー、ヒムラーの命令を遂行してただけなので、ナチスの方針の体現者、ヒムラーの凶行の代行者ではあるが、ヒトラーの代理人のタイトルはありえない。ヒトラーとの面識もほぼ無いし。とりあえずナチス関連はヒトラーってワード入れときゃ良いだろうってヒキがありそうなタイトルを付けて内容がそぐわない。
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