Yuuki

エンド・オブ・トンネルのYuukiのレビュー・感想・評価

エンド・オブ・トンネル(2016年製作の映画)
4.0
妻と子どもを失い自身も半身不随となった孤独で悲しき男ホアキンは、ある日金が底を尽きそうだったので自宅の2階を貸し出すことにした。そうして転がり込んできたのはダンサーのベルタと無口な娘ベティ。ワケアリな様子の二人と共同生活をするうちにホアキンの心の傷も少し癒えてきたのだが、そんななか自宅の地下室から強盗団が穴を掘って金を盗もうとする声を聞く…。な話

アルゼンチンのクライムスリラー。おもろい!!車椅子のおっさんと、突然現れたスケベ女と全くしゃべらない娘、そしてモグラみたいな古典的な方法で銀行から金を盗もうとする強盗団の存在が大変素晴らしいドライブ感でグイグイ絡み合って進んでいく、目が離せないシナリオが良い!!あれよあれよという間に物語が進んでいくテンポの良さで見る者全てを満足させる完成度!分かりやすい!

で、これスペインも制作に関わっておるみたいですね。スペイン映画と言えば驚きの超伏線回収が気持ちいいものが多いんですが、本作でも散りばめられた何気ない伏線がめちゃくちゃ気持ちよく回収される豪傑な展開はかなり好きでした。かなり超絶的な強運の要素がありつつも、終盤のパズルのピースが綺麗に合わさっていくような感覚、これぞスペイン系の映画…っ!!って感じです。「インビジブル・ゲスト」とか「ロスト・ボディ」「ヒドゥン・フェイス」辺りが好きな人は割と楽しめるかな

ただ、主役のおっさんのキャラ造形の深掘りがほとんどされてなかったのは物足りないところではあったかな!実は元CIAの超敏腕エージェントで事故をキッカケに隠居してしまい…とかっていうロバート・マッコール的設定が乗っかってれば劇中の様々な活躍に納得感はあったんだけども。まあそこは各々想像しときますかね!細かいことは置いといて、スリリングさと伏線回収のお見事さは必見です。敬具
Yuuki

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