MikiMickle

ホーンテッド・サイトのMikiMickleのレビュー・感想・評価

ホーンテッド・サイト(2016年製作の映画)
2.3
「家は住居でなく監獄」という ヘンリー・D・ソローの言葉からこの物語は始まる。

不動産の記事を書きながらもいつしかピューリッツァー賞を得るような記事を書きたいと頑張っている新聞記者ジュリア。
しかしある時、愛しの姉と甥っ子が惨殺されてしまう
唯一の家族を失った悲しみと絶望にくれるジュリアが現場となった家を訪れてみると、事件から数日しか経っていないも関わらず売りに出されており、殺害現場の甥っ子の部屋だけがごっそり無くなっている…
これは一体どう言ったことなのか…
不動産屋に問い詰めてみた所、前にもこう言った事例が… 調査してみると、数10件もの事件現場がクローンという人物に買われ、直後にまた売りに出されている。どれも、ごっそりと犯行現場が無くなった状態で…

一方、自分が養子に出されていた事を証明する手紙や、姉一家の惨殺 シーンが写ったビデオが届く。
自分の出生も、謎の男のクローンが最後にいた場所も、同じような事件の被害者の出生も、全て「ニューイングランド」という町だった
姉一家を惨殺 した犯人も、ニューイングランドとクローンと関わりがあると確信したジュリアは、元カレの刑事の反対を押し切って、その町へと向かう。
姉と甥っ子の死の理由を知るために…自分の出生を知るために…そしてクローンのもくろみを知るために…

そこは退廃した町で、誰しもが極端に排他的で…
異様な世界だった……

唯一ジュリアを受け入れてくれたアリーという老婆の家で知るクローンのもくろみは、末恐ろしいもので…ジュリアを心配してかけつけた元カレと共に、その真相へと迫っていく……

というストーリー
というか、↑この説明でもわかるように、長い‼メインに着くまでが長い‼
クローンのもくろみの一つが、残虐な犯行現場を組み合わせて作った家だという事は中盤初期でわかるのに、それが出てくるまでが長い長い

長いけれど、しかし、雰囲気はある‼
最初、あまりにも50年代なフィルム・ノワールの感じの2人を見て、設定が当時かと思ってたら現代でびっくりした‼
という事もあり、そこにも注目して見てみると、タイプライターの文字だのビデオだの車だの、随所に時代を感じるものがさりげなくでてくる。後半に出てくるニューイングランドという町は、完全に時代に取り残された町でもあるし。これはつまり、長年に渡る事件の象徴でもあるのだなと。長いけど、そういった面ではとても考えられていると思う。

そして、犯行現場を組み合わせて作るという発想は非常に良いと思う。人々の恐怖を集めた屋敷。設定としては『13ゴースト』に似てるかなぁ。それプラス、閉鎖的すぎる田舎恐怖も入れ込みつつ……設定はすごく良いんだけど、フィルム・ノワール風なのも、記者魂もなんだったのかと思うし、なんかちょっと惜しい作品でした
MikiMickle

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