記録
キャメラが異様なほど傾き、狂ったように荒ぶる。それ自身が意志を持ち、これでもかと絶望を映す。どこまでも不安定で異様、久しぶりに気持ち悪くなった。
次々と写されるスチル写真はこの映画の説得力を格段に上げている、この手法はアラン・レネの『夜と霧』を思い出した。今作はあくまでドラマだが、単なるドラマで終わらせないという深作欣二の強い想い、怒りを感じる。
役者も素晴らしく、憤怒、恐怖、諦念、そういったものが身体に宿っていた。
『ゆきゆきて、神軍』をもう一度観なければ。
国民が信じたこの国は、果たして信じるに値しただろうか、結局誰を助けたというのだろうか。8月15日、正午からの1分間、何のため黙祷を捧げているのか、誰のために黙祷を捧げているのか。今一度考えなければならない。
2024,16本目 1/24 DVD