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ゲットバック 人質奪還のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

ゲットバック 人質奪還(2016年製作の映画)
3.0
米プロレス団体WWEの関連会社が制作したアクション(スリラー)作品。

証人保護プログラム制度の下、娘と二人ロンドンに身を隠していた元FBI捜査官Martin(Scott Adkins)の自宅に強盗が入る。これを撃退した事が報じられ、顔と名前が衆目に晒されてしまい、因縁を持つ武器商人Cooper(James Cosmo)から命と娘を狙われる事になる。


《赤コーナー》命を狙われる元FBIの主人公!スタントマンもこなす肉体派俳優!《Scott Adkins》

《青コーナー》MI6の特殊訓練を受けた欧州最強の暗殺者"Bishop"!プロレスラー《Wade Barrett》

二人の肉弾戦、銃撃戦は見応え十分!特にBishopが街中だろうがオフィスだろうが集合住宅だろうが、所構わず容赦なく暴れ回るおかげで、10分毎に激しいドンパチが始まり見ていて飽きない!


アクションに全振りしすぎてプロットは残念。物語のキックになった《英国での報道=正当防衛でなく一方的な殺害》についてノータッチなのは特にいただけない。
傷だらけのパパ。娘一人。致命傷以外ほぼ無傷な強盗達。強盗はナイフと拳銃を所持。使用された拳銃も保有者を調べれば一発で持ち主が分かるだろうし、司法解剖すれば薬物も出たのでは?ここまでの状況証拠をガン無視して一方的な殺人犯に仕立て上げるとはどんな陰謀があるのかと期待したものの、単調な追いかけっこで終わる。
"英国では身元不明だから"ではいまいち説明が弱いし、これでは高まった期待値の行き場がない。

途中から武器商人と主人公との因縁にフォーカス。二人の関係性にぶっとんだ設定が付加された事で焦点が完全にズラされた。


"人質奪還"なんてタイトルがついてるものだから、いつ娘が誘拐されるのかな〜と思って見ていたのに。中々人質にならない。最後まで誘拐されない。おい邦題。
娘が人質だったのって、冒頭の強盗シーンで一瞬ナイフ当てられたくらいですよね?3分後にはヘッドショットで速攻奪還しましたよね?


"最終的にはここだけ残ればいいんでしょ"と言わんばかりの大味な脚本で、かなり景気良く登場人物達が退場していく。ここまで振り切った構成なのであれば、妙な駆け引きとか考えずに無心で観れば良かった。