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いい映画だった。
素晴らしい。
おすすめだ。
信仰か命か、重いテーマをはらんではいるのだが、それも含めて純粋にストーリーがいい!
物語の舞台は終戦直後のポーランドだ。
ドイツが敗退し、ソ連軍が進駐してきている。
そんな時代だ。
ある修道院にソ連兵がなだれ込み、シスターたちを陵辱した挙げ句、多数が妊娠してしまう。
彼女たちは何も悪くないのだが、信仰心からそれを罪悪とし、ひた隠しにしている。
そんなシスターたちを助けるのが、若きフランス人女医だ。
彼女はフランス赤十字の医師である。
ともすれば信仰を優先するあまり、シスターたち自身や赤ん坊の生命をないがしろにする修道院側に対し、彼女は敢然と言い放つ。
「命を助けたい」
感動的場面はいくつもある。
女医とシスターたちの交流、徐々に距離感がなくなっていく過程。
女医がシスターたちとの別れに涙する場面。
妊娠、出産を罪悪だと考えていたシスターたちが、様々な悲劇を通して人間らしい母性に目覚めていくところもいい。
ラストシーンは言わずもがなだ。
宗教はある意味恐ろしい。
厳格とか敬虔を通り越して、最も大事な物事を忘れ、狂信的信仰心を持つに至った人々は実に恐ろしいと思う。
偏見かもしれないが、一神教は偏狭で排他的な側面があると思う。
イスラム教、キリスト教、ユダヤ教などは同じ神を崇めているのに、なぜあれほどいがみ合うのだろう。
仏教や神道が主流のフワッとした日本に生まれて良かったと思う、今日この頃である。