IDEAコメント低浮上

エクスペンダブルズ ニューブラッドのIDEAコメント低浮上のレビュー・感想・評価

3.3
『英雄たちよ、永遠なれ。』

オールスター!…というにはちとキビシいメンツ、第3次世界大戦を阻止するというスケールのデカいミッションにも関わらずスモールサイズの世界観。’80年代アクションの魂を受け継ぐ最後のシリーズと思っており多大なる期待をかけていた今作だが、残念ながら逆に「もうあの頃のアクション映画は観られないのだ」と引導を渡された気持ちになった。

予告編にもあるように、序盤早々にスタローンが退場してからは今どきの流行りっぽいスタイリッシュアクション寄りのシーンばかり。スタイリッシュアクションは『キングスマン』やら『ジョン・ウィック』やらに任せておけばよろしい。歴戦のアクションスターだからこそ出せるあのアツさ(暑苦しさとも言えるほどの)や破茶滅茶だが受け入れてしまう思い切りの良さはどこにいってしまったのか?
別に性差別をしたいわけではないが、あのやかましい女性チームリーダーは本当に作品に必要だったのだろうか。結局ステイサムとのロマンスも中途半端なんだから、時代錯誤と言われようとも『漢』たちのアツいドラマに終始して欲しかった。
今となっては前作『エクスペンダブルズ3ワールドミッション』のジャケ写がまぶしく、あの頃は良かった…と過去を懐古するだけの感想に帰結する。

今作は"ニューブラッド"の邦題が示すように"世代交代"を意識したものになっている。
人間いつかは必ず次世代にバトンを渡さなければならないとはいえ、取って代わられるわけでは断じてない。新たなスターの誕生を見守る英雄たちの勇姿は、歩んできたその道は、映画史に燦然と輝き続けるのだ。
英雄たちの栄光の足跡に乾杯!