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団地七つの大罪のmitakosamaのレビュー・感想・評価

団地七つの大罪(1964年製作の映画)
3.0
日本映画専門チャンネルでやってたので。

東宝スタァ総登場の団地を舞台にしたオムニバス喜劇。

団地にまつわる悲喜交々を七つの大罪を称して紹介する、のだが各タイトルが「虚栄の罪・覗きの罪・己が罪・やりくりの罪・励みに励む罪・嫉妬の罪・文明の罪」となってる。
ここはちゃんとキリスト教の「暴食・色欲・強欲・憤怒・怠惰・傲慢・嫉妬」にして欲しかったなぁ。

全体的に団地に住む夫婦の色事にまつわる話が多い。艶っぽい笑いだね。

「虚栄の罪」は小林桂樹と司葉子の夫婦。団地に越してきた事が嬉しくて仕方ない。隣近所に対する虚栄心が愉快。
「覗きの罪」は高島忠夫と団令子の夫婦。隣近所の情事を双眼鏡で覗き癖
の夫と、夫婦生活の促進のために旦那にニンニク料理を食べさそうとする妻。覗きはネタ的に犯罪だろう(笑)
「己が罪」は益田喜頓に愛人の浜美枝。別居中の妻が突然やってきて鉢合わせ。浜美枝の甘えっぷりがヤバい。可愛すぎる。
「やりくりの罪」加東大介と東郷晴子。奥さんが旦那の囲碁盤を勝手にバザーに出しちゃった。昨今ヤフオクで勝手に夫の物を売るような話が当時もあったのねぇ。友人の部屋で囲碁盤に再会し複雑な夫。さらに子供の積み木もバザーに出していた。
「励みに励む罪」児玉清と北あけみ。子供を作って2dkに移ろうと子作りに励む妻と仕事に疲れ果てる夫。
「嫉妬の罪」三橋達也と八千草薫、藤木悠と草笛光子の夫婦。社交ダンスで交流がある両夫婦だが、遊び人の三橋と草笛がエレベーターに閉じ込められ、藤木と八千草は気が気でならない。そんな心配を他所にエレベーター内ではトイレを我慢する二人がモジモジとダンスのようにうろつき回る。
この回が一番笑える。しかし三橋達也ってそんなに格好良いかねぇ?気持ち悪いよ。
「文明の罪」団地内にコインランドリーが出来て洗濯は日曜の夫たちの仕事に。登場した夫たちが集まり夫の復権を誓い合う。

こういう映画が作られた事で、当時「団地」がいかに日本の住宅事情に革新をもたらしたかがわかるね。
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