人を人が裁く。
なんて不思議な行為だろう。
第三の殺人とは
唯一、殺人権のある裁判長のことだろう。
そしてそれを求めた私達の意思なのかもしれない。
インタビューの中で弁護士曰く
法廷は別に真実を究明する場でもなく
利害調整をする場だそう。
しかし判決は絶対的で
私達はそれを許容している。
この現実と同じように
この物語の真実を知ることはできない。
相手が真に感じている事を
わかってしまう能力を持つ三隅は
自分を器とし
相手の意思を入れ
裁くという行為を行う。
言うことが二転三転するのも
あの子やあの子を
守る術のように思えてならなかった。
可愛がってた鳥を殺めたことも。
最後の会話も。
優しさがこんな形になることが辛かった。