たかすぎ

三度目の殺人のたかすぎのネタバレレビュー・内容・結末

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

「色んな事を 見て見ぬフリをしないと生きていけないんですよ」

弁護の困難さを見た
人が人を裁く難しさを見た

殺った殺ってないの言葉と物証だけでは決して見えて来ない深い部分のもの
狂人をどこまで理解するのがいいのか考えさせられるけど結局、その器はその器自身ですらも実はうまく扱えてないし
そもそも、その器を狂人と位置付けていいのかどうかも判らない
彼はただ、空っぽなだけであるから
周囲も邪にそれを悪用したわけではないんだし、なるべくしてなってしまったなら本件に実は真犯人など存在していないのかもしれない…なんて事になると遺族からしたらやりきれないのでやはりそこは真犯人を決めておかなければならないんだ、しかし…と言ったすごく白黒ハッキリ付けがたい部分の問題

負の感情が空っぽな自分の中に蓄積されていくと殺人を犯してしまう装置、みたいな三隅という男

いち弁護士ごときが、六法全書のルールでどうこう出来る相手じゃなかったヤツ😨あんなの無理だ

「あの人の言った通り、ここでは誰も本当のことを話さない」
それにしても、あの談合な法廷の面々よ
デキレースしか行われないんだ

「誰を裁くのかは、誰が決めるんですか?」

辛うじて真相に近い距離に佇む咲江の問いかけに、重盛ほどの博識な者ですら答えられない
死刑求刑が口頭で白黒つけられるお手軽なシステムに見えてくるよ

「憧れていたんですよ 人の命を自由に出来るじゃないですか😀」
三隅の裁判長に対する認識のくだりはやっぱ狂ってる匂いもしてきてた

「あなたはただの器?」
「何ですか?器って?🙂」
あの接見室での問いかけ
彼は惚けているのか?自覚がないのか?

三度目の殺人、は法廷での自分をカウントしたわけね成る程
いや、しかしこれだけの事件が身近で起きてんのに知らぬ存ぜぬ貫き通してた三津江が最も悪人じゃないかと思うんだけど
え、だって娘の件も食品偽装も黙認だよ?その時点であの女は三隅なんか遥かに越えて最低な母親じゃない?

あの辺スルーされて法的に許されてるのがモヤモヤした
裁かれるべき人が無傷ってそれこそ理不尽だわ
実際にも居るんだろうなそんなヤツ
それは世渡り上手い器って事なんかなぁ、とは言え空っぽよりも赦しがたいと思う
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