REDksk89

三度目の殺人のREDksk89のレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.0
是枝裕和監督作品。
多くは語らず判断をこちらに委ねる含みの持たせ方は彼らしいんだけど、今作は特に解釈の余地が大きく難解だった。
結局誰が正しいのか。
誰も本当のことを話さない。
誰を信じていいのか。
「誰を裁くかは、誰が決めるんですか?」の言葉が象徴しているように、もはや誰にもわからない。

被告人の三隅、被害者の娘の咲江、そして弁護士の重盛。それぞれが返り血を拭うような仕草が印象的だった。全員が何かの思惑に加担して、返り血を浴びている。

タイトルの「三度目の殺人」についてだが、
一度目が前科である30年前の事件であり、
二度目が今回争点になっている事件であり、
三度目が死刑宣告された三隅を表しているのだろう。
司法の曖昧なシステムによって、人の命が簡単に殺されてしまう。誰もが返り血を浴びて。
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