寝るのだいじ

三度目の殺人の寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

裁判の真の正統性と、それを利用して護りたい人を護るための嘘で弁護士の良心を試す話。

公的機関で働いていたときも利用するときも辟易していたが、「公」って誰を指しているのかと憤りを感じる程に合理主義になっていて、人の心は蔑ろにされがち。
毎回これで通用したからその方法、という脳死状態でことが回る場面が多すぎて、血税の意味がまるで無い。

工場長は娘に性的暴力、その娘を救いたくて工場長を殺害。しかしその犯人は、過去に該当しない罪を「その方が求刑が軽くなるから」と被せられた嘘を経験しているので、今回も途中から殺していないと主張することで、娘が根掘り葉掘り訊かれて辛い思いをすることを避けさせ、同時に法廷にいる全ての人を試す。

なにも届かない、真実は隠されたまま。
裁判官は一番人の上に立ち、生かすも殺すも自由である。だから弾劾裁判があるのに、なぜ政治家を弾糾する場がないのか不思議な日本よな……なども考えさせられた。