井出

三度目の殺人の井出のネタバレレビュー・内容・結末

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

人は容れ物。そこにどういう意志という物語を読み込むかは、人による。社会による。時代による。そこでは本当を語る神も科学も変わる。

映画もそう。娘の涙もそう。そこに何を読み込むかは人それぞれ。
でもそれで話を終えてはいけない。なぜなら、生死にかかわる場合があるから。
あるときはその物語によって、国家は人を殺す。またあるときはその物語によって、自分で自分を殺す。
どうせ物語なら、生の物語を選びたい。選んでほしい。その選択肢を増やしたい。人それぞれとか言って、黙っている場合じゃない。

いや、殺すべき凶悪犯はいるかもしれない。
でもその凶悪犯って誰のことだろうね。

役所広司とか福山雅治が出てくると、自分はどうしてもCUREや容疑者Xの献身に対する反論を読み込んでしまう。
でも一番想起したのは絞死刑。公開はちょうど50年前。死刑について、犯罪について、考えさせる映画は50年後にも続いているのだろうか。良い意味でも悪い意味でも。

あと、公判の直前のシーン、監督が写っているような。監督の「意志」を感じます。
井出

井出