かずこ

三度目の殺人のかずこのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.3
どこに真実があるかわからないまま、色んなところに投げ込まれるボールをただただ眺めているような気持ちになった。

視聴者として、綺麗な終わり方を求めてしまっている、それを見透かしたかのように最後の接見のシーンでの台詞。

重盛が行き着いたアレは真実なのか。

咲江の、あそこでは誰も本当のことを話さないという言葉が、父親への感情を指すのか、それとも三隅の真実を話せなかったことを指すのか。

階段で見せた涙は、重盛の娘が見せた涙と同類なのか。

どの伏線も回収されることなく宙を漂って、実際の結末がわからないまま、収束した裁判そのもののような映画だった。
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