Tai

三度目の殺人のTaiのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.8
掴み所がなさ過ぎる男にモヤモヤ!

本日6月6日は是枝裕和監督の誕生日だということで!おめでとうございます( ^ω^ )

エリート弁護士が頼まれて担当することになったのは、過去に2人を殺害し服役したという男が再び殺人を犯したという事件。
本人も殺害を認めているので事務的な裁判になるのかと思いきや、会ってみると毎回事件内容の言うことが違う!
一体、何が真実なのか?そもそも本当に殺したのか?
事件の真相を求めて、その男の背景を探っていく…

面白かったのが、あまりにも無気力な人物達ですよね!
負け決定の裁判にやる気ない弁護士と、何考えているのか分からなく投げやりに見えなくもない被告人。
互いの心の距離が遠く離れたところにいたのに、気がつくとどんどん近づいていくんですよね。
それが真相に近づいているようで、でも近づいたかと思うとまた分からなくなったりで、事件解決の推理というよりは被告人の人格を掘り下げていく心理戦という感じがしました。

それを象徴するかのような、ラストのガラスを使ったカット!
真実をすり合わせ続けた2人の男顔で演出されたあのカットは少ない言葉で心情を表現した匠な演出で、鳥肌ものでした(゚o゚;;
いや、さすが是枝監督!映画へのこだわりを感じる1カットでしたね!


弁護士事務所として使われていたレトロなビルが、昔にヒーロー物などでも登場していた建物だったので懐かしかったですね。
現在では取り壊されてしまったそうなので残念(´・ω・)
Tai

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