TRT421

三度目の殺人のTRT421のレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.5
最後まで飲み込むことができない作品

いつまでも口の中に残り
噛めばそこから滲み出る
微かな何かを感じることはできるのに
それはすぐに消えていく

司法とは
裁判で証言する者の心理とは
真実が語られていない裁判とは
タイトル三度目の殺人の意味するところとは
最後の一言の意味するところは。。

事実はいくつかある
真実の察しはつく
しかし、なぜそうしたのか
そこが飲み込めないところか

雲のように捉え所のない被告三隅役を
役所広司が好演
三隅という名前がまた謎めいている

割り切ったキレ物弁護士から
いつのまにか
面会室の仕切りに掌を当て
被告の心の内を感じとりたいと請う
熱い血の通った弁護士まで
振幅の広い役を福山雅治が熱演

そして、被害者の娘役を演じる広瀬すずが
作品全体を奥深い闇に陥れる
女優としての底力を見せる
すごいポテンシャル
これから楽しみだ

映像が痛い程に心に突き刺さる
面会室の仕切りに当てる掌
面会室の仕切りに重なる二人の顔
雪の中で戯れる三人
カナリアの墓
独房(鳥籠)から鳥に餌を与える被告


噛みきれない

飲み込めない


以上既にそうかもしれませんが。。
以下ネタバレ
というか私の解釈




単なる器
普通に考えればそれは肉体

今の三隅はもう単なる肉体

早く死に、
次世でまともな人生を送りたいと言う願い
では無いか

三度目とは普通
同じ人物が繰り返し行う行為や
同じ人に降りかかった事態
に対して使う表現
ここでは前者だろう
一度目は三隅による過去の殺人
二度目は法的に三隅が殺したことになり
三度目は三隅が自らを殺す
と言うことか

しかし、次世で前世の罪を償うのが輪廻転生
三隅は次世でも罪を償わなわねばならない

少し飲み込めた気がする
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