橘

空(カラ)の味の橘のレビュー・感想・評価

空(カラ)の味(2016年製作の映画)
3.7
摂食障害の女の子のお話。
堀春菜さんが演じてた主役の聡子の、つらいけどどう伝えたらいいのかわからなくて苦しいのがひしひしと繊細に伝わってきました。周りの優しさもつらかったり、初めて会ったよく知らない人には心の内を話せるのも、わかります。
監督さんの経験を元にしてる作品のようですが、監督さんにもマキさんのような人がいたのかな。

つらいときには縋りたくなるけど、だんだん大丈夫になってきたら、マキさんに違和感みたいなものを覚え始めるのもリアル。「漢方とか貰ってるだけ」って言ってたけど、明らかに治療中ですよね。。
でも、「なりたいように、なれればいいね」って言葉は光でした。

わたしも、「家族だろう」って“家族”を押し付けられるのがとても苦手で、あの食卓のシーンはムカムカしていました。父親も母親も苦手なタイプ……よく話を聞かずに勝手に傷付いたり娘の気持ちを決めつけてるの、これは娘は相談出来ないなと思います。
友人が居てよかったって思います。気持ちに土足で踏み込むことをしないし、良い友人でした。

聡子に肩入れするけど、大きくなったら聡子も家出られるといいな。自分を生きられますように。
橘