水蛇

作家、本当のJ.T.リロイの水蛇のレビュー・感想・評価

作家、本当のJ.T.リロイ(2016年製作の映画)
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コートニーとボノは本当にブレないな、ボノ語り(名訳)が目に浮かぶもん。そして虐待経験によってローラと結びついたビリー・コーガン。

90年代末〜00年代始めはトリイ・ヘイデンとか「it」シリーズとか虐待サバイバーの話題作がいろいろ邦訳もされて一種の流行だったけどその中でもこれだけの文化人(曖昧な言葉だ)から支持を集めたのはリロイくらいで、その理由もよくわかる。不謹慎だけど映画みたいだったもん。事実は小説よりも奇なりなんだぁってわたしも辛さを追体験していた。だから嘘でしたといわれた時の衝撃といったら。

でもまさか2017年とかにもなってネガティヴな注目を集めてまだ嬉しそうにしてるローラを見るとは思わなかったし、彼女をここまで追い込んだ幼少期を思うとなんともいえないさみしさを感じる。奥深くで損なわれたものをこういうふうに埋めていってもきっと満たされることはない。その点で彼女は被害者なんだけど、だからこそちゃんとした治療を受けられるといいな…
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