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作家、本当のJ.T.リロイのyadokariのレビュー・感想・評価

作家、本当のJ.T.リロイ(2016年製作の映画)
4.1
日本ではJ.T.リロイは知られているのだろうか?すでに本当のことが分かってから翻訳されたので知る人ぞ知る。アメリカやヨーロッパでは凄い騒ぎだったのは名だたる有名人(セレブ)がJ.T.リロイを支持したからだ。そうだ、佐村河内守に似ているかもしれない。

日本だと森達也監督『FAKE』だけどJ.T.リロイの方はヴィジュアル的に凄いよね。それも自分が醜いと思った太った女性の内部で作り出された正反対の個性を持ったフィクションとしての人物だから。金髪の美少年。多重人格と違うのは本人が意識して創作したからだ。

小説家がフィクションの登場人物を描いて、それが嘘というのではなく作者の分身だということ。だからJ.T.リロイをただ捏造とするのはどうなんだろう。複合した作家のペンネームでいいのじゃないのか?まあバレたからもう消えてしまった「失われたJ.T.リロイ」。

映画は圧倒的に面白い。ヴィジュアルがいい。それに騙されたというか信じてしまった有名人の凄さと映画まで作ってしまったのだから。そこまで存在していたのだから偽物ということはない。ある部分ロマンだ。アニメのキャラがこの世界にいたと信じるのと同じ。
(2017年05月30日)
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