牛猫

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたの牛猫のレビュー・感想・評価

2.8
テロに巻き込まれ両足をなくした青年の苦悩を描いた話。

邦題が酷い。
足を失ったことと英雄視されることへの葛藤を描いているのに、この邦題じゃまるで英雄視されることを望んでいたみたいじゃないか。

障害者を持ち上げる感動ポルノで大衆の餌にする。どこの国も変わらないんだ。それに本人の気も知らないで喜んで乗っかろうとする母親や親類の言動が最後まで受け入れ難かった。
24時間テレビみたいなものに出演しようとさせる人たちもこんな感じなんだろうな。

ジェイクギレンホール演じる主人公の行動も子どもそのもの。アルコール依存症気味だし、遅刻はするし、約束はすっぽかすし。事件に巻き込まれたことは確かに不幸なことだけど、ずっと苦い顔で観てしまったな。
それに人一倍寄り添ってあげて、誰もやりたがらないことも率先してやってあげた、元カノがただただ気の毒。妊娠を告げた後の一連のやりとりは最低すぎて観ていられない。
最後始球式に出たことでハッピーエンドみたいな感じになってたけど、結局なにも変わってない。
陳腐な感動ストーリーに安易に持っていかない点は評価できるけど、胸糞悪さの方が勝ってた。

そもそも事件の被害者の名前と顔を世間の人が当たり前のように知っている状況って異常だと思うのだけど。
牛猫

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