Jun55

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのJun55のレビュー・感想・評価

4.1
Jeff Baumanは、2013年ボストンマラソン爆発事件で両足を失いながらも、病床で犯人特定の手がかりを提供し、それが犯人逮捕につながったことから、一躍ヒーローとなった人物。この映画はベストセラーとなった彼の自伝に基づくドラマ。
彼が両足を失いながらも逞しく生きる姿は多くのボストニアンを励まし、ボストンマラソンの再開と共に彼は地域のアイコンになっていく。
ただ、この映画は、両足を失うことで心身共に苦しむ姿、母、妻との葛藤など、Jeff本人の目線で描かれているので、単なるサクセスストーリーということではなく、内面の描写が鍵になってくる。
その意味で俳優の演技がとても重要になってくるのだが、全ての俳優が素晴らしかったが、特に妻役を演じたTatiana Maslanyの演技がとても印象的であった。
また、両足を失ってからはCGを駆使しているのだが、全く違和感なく、その技術も注目に値する。

アメリカの地域愛は日本人には理解できない程の”熱さ”があるし、それがアメリカの強さであり、素晴らしいところでもある。
この映画でも庶民的なアイリッシュ系のボストニアンが登場し、レッドソックス(野球)、ブルーインズ(アイスホッケー)とボストンを愛する人にとっては堪らないモチーフが使われている。その意味で、この映画を通じてアメリカ人の地域愛の姿を感じるのも良いのだろう。

Rotten Tomatoesでも高評価を得ているが、アメリカ人が好きなヒーロー物、且つ地域愛をテーマにするのだから頷ける。
Jun55

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