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すべての政府は嘘をつくのsaskiaのレビュー・感想・評価

すべての政府は嘘をつく(2016年製作の映画)
3.5
『記者たち』に続いて、関連作品に出てきたこちらも鑑賞。

オバマがひどい大統領だったってことを全く知らなかった自分が恥ずかしい。
日本と米国の政治についてもっと知る努力をしなければ。

どこの国のメディアも偏向報道だったり、忖度だったり、なにかしらあるんだろう。
本作で描かれている米国は何が真実で何が嘘かなんてもうわけがわからなくなってしまっているけど、こうして真実を伝えようとしてくれるジャーナリストがいる。
それだけでも希望が持てるのではないか。
ムーアにはこれからも映画を作って真実を暴いていってほしいと思う。
真実じゃないことも多少含まれているかもしれないけれど…。

日本にはそんなジャーナリストもいなければ監督もいないのではないか。
やっと「新聞記者」のような社会派サスペンスが作られたようなものの、
本作のように実際の映像が使われないことはもちろん、フィクションとされている。
女性記者役の女優だってなぜ韓国人のシムウンギョンがキャスティングされたのか。
シムウンギョンが悪いのではない。
彼女の演技は良かった。
日本の女優が軒並みオファーを断ったから韓国人の彼女しかいなかったのだ。
もうその時点でお話にならない。
それでも私は『新聞記者』という作品が大好きだ。
日本では難しいことなのかもしれないが、米国や韓国を見習って
実名でノンフィクションの作品が作られる時代がくることを切に願う。

嘘で塗り固められたものを“真実”として信じている私たちはなんて愚かなんだろう。きっとほとんどの人が疑問にすら思わない。
今回の米国の大統領選やコロナ禍の今現在もそう。
メディアの情報を鵜呑みにしてはいけない。
自分で正しい真実を選べるように知識を深めたい。

「この国の政府の文書には嘘ばかり書かれています。
政府は自分たちの嘘をごまかすのが下手です。
政府が嘘をついた時にそれを見つけ出すのが私の仕事。」

そんな仕事があることに疑問を感じるけど、必要なんだなぁ…。

「悪魔など存在しないと世界に思い込ませたことだ」

思い込ませることが何よりも大事。
真実などきっとどうでもいいのだ。
ほとんどの人が自分に都合の良いことだけを信じるから。

「すべての政府は嘘をつく」は
米国に限ったことではない。
きっと世界中がそうなんだろう。


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