YukoK

『知事抹殺』の真実のYukoKのネタバレレビュー・内容・結末

『知事抹殺』の真実(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

この事件当時のことは記憶にないけれど、諸事情により後から勉強することになり、原作も読了。
後半に出てくる、支援者?の集会。「私の人生、間違っていなかった」という佐藤栄佐久元知事の一言に救われる。その後、スピーチの途中で堪えきれなくなるシーン。あそこにすべてが詰まっている。こちらも思わず涙。
そして終盤、立入規制がされた富岡で、満開の桜並木をバックに東電技術者が語るシーン。「ふるさとを壊していいのか」という真理をついた一言に「あと一期やっていれば」という反実仮想。6年経ったけれどフクシマはまだまだ。
映像作品としては、他の方も書かれているように、佐藤氏本人や関係者らへのインタビュー、集会などの映像、当時の写真や新聞記事が多く、取り調べや裁判の部分は再現VTRではなくアニメーション。そのためややリアリティに欠け、実際の映像部分との温度差があった気がする。報道機関が共同通信以外、映像や資料提供を拒んだ以上仕方ないんだろうけど。
それを差し引いても観る価値がある作品。無知は恐ろしい。過去はもう消せないしタラレバ言っていても仕方ないけれど、今起こっていること、これから起こることに自覚的になること。自戒。
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