emily

転校生のemilyのレビュー・感想・評価

転校生(2015年製作の映画)
4.1
新しい中学に転校してきたブノワは、なんとか人気者のシャルルのグループに入ろうとしたが、馬鹿にされるだけで、気にかけてくれるのはいわゆる「いけてない子」達だけだった。彼の救いはスウェーデン出身のジョアナだけだった。しかし彼女もシャルル達と仲良くするようになり。

ピンクの色彩、ポップな絵、明るい空気感の中、青春のきらびやかさと交差する。不穏な空気感の転校して間もないブノワの不安の焦りが表情から丁寧に描写されている。ジョアンと友達となることで笑顔と光がさすようになるが、それも長くは続かない。彼女にはボーイフレンドも居るし、美人だから人気グループがほっておく訳がない。ブノワは再び一人になる。しかし彼の隣にはいつも寄り添い彼を思ってくれているクラスメートがいたことにこの時はまだ気がついてない。

おじさんのアイデア通りに開いたパーティ、そこにきたのはクラスで浮いてる「いけてない」連中だけだった。しかし彼らは気がついたら寄り添い力になってくれようとしていたのだ。おじさんのDJにより四人に一体感が自然と生まれるれ、ブノワからも本当の笑顔が溢れ出すのだ。それでもまた人気者のグループに入ろうとする。その2回目のエピソードがさらに心の美しさを浮き彫りにしてくれる。失恋もし辛い思いもした。そんな時いつでもそこに居て笑ってくれてる友人達。慰めの言葉なんていらない、彼らといれば自然と笑顔になるのだ。大げさではなく淡々とした描写だからこそ、思春期の繊細な心情が隙間からしっかり見えてくる。傷ついた分前向いて、傷ついた分笑顔が美しい。四人の後ろ姿には一人では持てない自信に満ち溢れている。
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