のんchan

サマーフィーリングののんchanのレビュー・感想・評価

サマーフィーリング(2016年製作の映画)
4.2
ミカエル・アース監督の制作順を逆に追って鑑賞したことになるけど3本全てが好み。
その中でこの作品が一番好みかも知れない。


ある夏の日、ベルリンで暮らす30歳のサシャは突然倒れてこの世を去ってしまう。
唐突すぎるその死は同棲している恋人ローレンスとサシャの妹ゾエ、両親、友人らにとって受け止めきれないものだった。
心に傷を抱えた者たちが交流し、時間の経過とともに少しずつ傷が癒えていく過程を静かに描いているヒューマンドラマ。

ベルリン、パリ、ニューヨークの3カ所で展開する1年毎の夏だけを、16mmフィルムで撮られたノスタルジックな映像と静かな音楽が相まって悲壮感より優しみが際立つ。


ローレンスとゾエが近づいては離れ、歯痒くなる様子、しかし、それは一線を超えない、どこか同士のような温かいものが流れる。

30代の友人達、ゲイのイケオジ、ローレンスとゾエの周りに集まる人たちはみんなサシャとも繋がっている。

誰かが死んでも世界は動く、必ず朝日は昇る、それは変わらない。

ローレンスが2年後に立ち直りを見せるシーンで自分のことのように多幸感で包まれた。
ローレンスの眼差し、キスと愛撫がとっても優しい。

演じるアンデルシュ・ダニエルセン・リーは6本目の鑑賞だったけど今後も要チェックです。
ノルウェー出身なのか...私の好みはやっぱり北欧に集中するみたい。

好みの作品が続いていてなんとも言えない心地良さに酔ってます。



【投稿1時間後の追記】
好みと書いたばかりのアンデルシュ・ダニエルセン・リーって...
そうだった思い出した『7月22日』のあのサイコパス野郎を演じたんだった。
この時と真逆なんだけど、上手いってことだね。
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